松例祭

出羽三山神社の主たる祭礼行事 ~松例祭【特殊神事】~

松 例 祭 
国の重要文化財に指定
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12月31日[特殊神事]

年に一度の祭祀に託する祈りと熱気は時の流れを越えて
        [松明行事]新しい火を切り出す神事
 
千四百年の歴史を持つ、
みちのく出羽三山に生まれた修験道は、
時代の変還とともに、幾多の影響を被りながらも、
その本質は脈々と受け継がれている。
神事に携わる全ての人々の表情に浮かぶ、
敬虔な祈りと熱気は、時の流れを越えて、
遠く古代の人々の変わらぬ信仰を今に伝える。
 

 
 毎年大晦日から、明くる元旦にかけて夜を徹して行われることから別名歳夜祭ともいわれ、羽黒修験の四季の峰のひとつ「冬の峰」の満願の祭事である。
 門前町手向地区より「位上」と「先途」と称する松聖2名が選ばれ、9月24日より百日の行に励む。この間、祭壇を設え、興屋聖に納められた五穀に稲霊の憑依を祈るとともに、五穀豊穣、天下泰平を祈願する。また古来よりこの祭りの費用を得るため、松の勧進として庄内地方の家々に出向き松例祭の寄進を募り満願の日を迎える。
 12月30日は地元地区の若者が昇山し「位上方」・「先途方」に分かれ、悪魔に擬した「ツツガムシ」をかたどった2体の大松明を作る「大松明まるき」がある。以降すべての行事は、この位上方と先途方の優劣・遅速等、競争の形をとり進められていく。
 

 
[松聖による綱まき]
恙虫を切った切綱を奪い合い境内は熱気に包まれる
[大松明まるき直し]
庭上で大松明を復元する
[綱さばき]
位上と先途に分かれた補屋で引綱をめぐり掛け合いが続く
[砂はき渡し]
大松明を立てる穴を掘る「砂はき」を授与
[験縄行事]
雪の降りしきる庭上大目付によって距離が計られる
[烏とび]
位上方と先途方に分かれた山伏が烏の飛ぶ姿を競う
[兎ぱね]
月山神の使いとされるウサギ
[大松明引き]
五番法螺の合図によって庭上では大松明が引き出される
[国分神事]
真夜中も過ぎて厳寒の中行われる神事中の庭上で国土を定める神事が行われる
[火の打ち替え神事]
新しい年の新たな火を鑽り出す神事

【松例祭神事進行表】

●午後3時綱まき(庭上) 悪霊に擬した大松明に用いた大小の綱を切り分けて撒く。
●午後3時大祓式(参集殿)
●午後4時除夜祭(本殿)
●午後6時松例祭本殿祭・蜂子神社祭(本殿・蜂子神社)
●午後6時大松明まるき直し(庭上) 綱まきによって切り刻まれた大松明を復元する。
●午後7時~8時各町若者頭綱さばき(補屋) 燃え盛る薪火を囲んで各町内の若者頭等が、大松明引きに用いる引綱を巡っての駆け引きがある。
●午後8時30分綱延綱付若者、神前にて砂はき渡し祝酒(補屋) 前年綱付を奉仕した若者「綱延」と、本年奉仕する「綱付」両名に松聖より「砂はき」(雪穴を掘る祭具)が授与される。
●午後9時10分頃出役、御掟目(補屋) 大目付と呼ばれる役者が従者を伴い、両聖をはじめ若者たちに、神事の公正を促す御掟目の言渡しがある。
●午後10時45分験競(本殿)・大松明引き(庭上) 両松聖に属する十二人の山伏によって「烏とび」「兎ぱね」が行われる。 引続き、五番法螺と同時に大松明引き(庭上)が位上方、先途方に分かれ、それぞれ四本の引綱を大松明に結びつけ曳いて雪穴に引き立て焼き捨てる。 この時の遅速、火の燃え具合によって、翌年の豊作や大漁を占う。
●午前0時国分神事・火の打替神事(庭上)・昇神祭(補屋) 東国三十三ヶ国は羽黒領、西二十四ヶ国は熊野領、九州九ヶ国は彦山領と定めた検地の神事。 引続き、火の打替神事は新しい年の新たな火を鑚り出す神事。 すべてが終わり、両聖が百日間祈願を込めた稲魂を昇神する。