御田原小屋(参籠所)

   
【 御 田 原 神 社 】みだはらじんじゃ
◇御祭神
奇稲田姫神(くしいなだひめのかみ)、又の御名を櫛名田比売(くしなだひめ)
◇系譜
大山祇の子の足名椎(あしなづち)
手名椎(てなづち)夫婦の娘
◇神格
稲田の守護神・豊穣の神
◇神徳
縁結び・夫婦和合・五穀豊穣
 
【 御祭神・由緒起源 】
高天原より追放された須佐之男命は、出雲の肥の河上へと降り立った。そこで八岐大蛇に生贄として捧げられるはずの奇稲田姫神を「つゆ爪櫛」に変身させて髪に挿し、八岐大蛇を退治する。須佐之男命によって救われた女神はこの後に須佐之男命の妻となり、出雲の須賀の地に須賀宮を建て暮らした。神名の「櫛・奇」は霊妙なという意で、稲作に豊穣をもたらす力、もしくは豊かに実る稲田自体を神格化したものである。またこの女神には、古い時代の水神・八岐大蛇に仕えた巫女の姿を認める。この八岐大蛇を退治する神話は、須佐之男命(文化神)に由来する文化即ち治水の技術によって、八岐大蛇(自然神)即ち河の氾濫を起こす荒々しい水霊が制御され、稲田(奇稲田姫神)による生産が保護されるようになった時代の消息を記す農耕起源譚である。
 
【 御田ヶ原と月山神 】
明治以前の神仏習合の時代、月山には神である月読命と仏の阿弥陀如来が祀られ、月山権現として崇められていた。八合目の湿原「みだがはら」の由来を江戸時代の文献に求めると、「小屋の岩頭に阿弥陀如来の銅像を安置したことから、俗に呼ぶ弥陀ヶ原と旧記に載る所は御田ヶ原である。日神の御田は天の安田・天の平田・天の邑併田の三ヶ所に有り、これらは皆良き田である。こうしたことから、諸神の国社に御田植ること古式なれば、このような丘山にも神田を開かれたのであろう」とあり、天照大神の御田としての「御田ヶ原」であると記している。また、日本書紀には「天照大神が天上にあって、保食神が葦原中津国にあった時、月夜見尊を保食神に遣わされた。保食神の所に至ると、保食神は首を廻して国に向かい口から飯を出した。その稲種で天の狭田及び長田に種を撒いた。」とある。奇稲田姫神は稲田の守護神であり、豊穣の神であることから、農耕神でもある月山神の摂社として配せられる。
ここ八合目の湿原はいにしえより天のお花畑にも喩えられ、雪の消える跡を追うように咲くニッコウキスゲや秋を知らせるミヤマリンドウなど、たくさんの草花が高山の澄んだ空気に冴えわたり登拝者の心を和めてくれる。また晩秋には池塘(ちとう)の回りの馬蹄草(雑草)があかく色付き、見た目にもまるで黄金に実った稲田を想わせる。こうした光景が人々に神田といわせるゆえんで、稲田の神とする奇稲田姫(櫛名田比売)が祀られるのはもっともなことである。古より馬蹄草の多少によって年穀の豊凶を卜う作だめしの御田とされている。
 
【 御田原神社の役割 】
御田原神社の御社殿は、月山神社本宮の二十年に一度の式年遷宮による古材をそのまま用いて建てられる。ゆえに、月山頂上の本宮参拝が叶わない人にとっては遥拝所として、また籠もり所としての機能を果たし、本宮参拝と同様の御神徳に与るとされている。
 
 
【月山神と兎】
兎は古くから、月山神のお使い、或いは月の精とされ、悪運から逃れる力があるとされています。因みに十二支の内、卯歳は月山の御縁年とされています。
   
< 豊穣とうさぎ >
日本では童謡にも歌われるほど、月と兎は密接な関係にあり、こうした考え方は中国から伝わったもので、宋の時代の言い伝えに、兎は仲秋の月(旧暦八月十五日の満月)を見て受胎するという話がある。地上の兎は全てメスで、月に住む兎だけがオスなので、雲がなく明るい年ほど、沢山の子どもが出来るのだという。童謡の『うさぎ』は、月にいるオス兎を慕う地上のメス兎の情景を歌ったものであるが、これは月に向かって豊穣を祈る、この世に生きる全ての人々の祈りの姿でもある。
 
< 慈悲とうさぎ >
『今昔物語』に猿、狐、兎の3匹が、力を尽きて倒れている老人に出逢い、助けようとした話がある。猿は木の実を集め、狐は魚を捕って、老人に与えた。兎は、何も採れなかった自分の非力さを嘆き、自らの身を食料として捧げようと焚火の中へ飛び込んだ。その姿を見た老人は、帝釈天としての正体を現し、兎の捨身の慈悲行を後世まで伝えるため、兎を月へと昇らせた。月の兎の周囲に黒い影が見えるのは、兎が自らの身を焼いた際の煙だといわれている。
 
 
 
 
 題名『静観』
作者 後藤里美氏 東京都新宿区
 
畳一枚ほど大きさのキャンパスに画かれたオゼコウホネは御田原湿原の深奥部の池塘に咲く、古代の高山植物で、本州では御田原と尾瀬湿原に確認されるのみです。他は北海道の猿仏原野の在るのみで大変貴重な植物です。
作者の後藤里美氏は度々御田原の地を訪れ、只々純粋に静謐に咲こうとする高原の花々に常々心を寄せておられました。沈黙の中から突如開花したとも言えるこの一枚の絵は同氏の御田原での瞑想を通して自ずと醸成され湧出した大自然への讃歌と、同氏の瞑想世界の静寂と微細な深みを花に託して表現されたものと感じとれます。
高山の花々から、沈黙、静寂ほど豊かな表現はないということを教えられる思いです。
 
この絵画は御田原参篭所一階の広間に展示されております。
 
 
 
 

宿泊

宿泊
 
・予約(要):電話 090-2367-9037
・場所:月山8合目駐車場より徒歩10分
・開山期間:7/1~10/2
(状況により変更する場合がございます)
・宿泊人員:最大35名迄
・宿泊料:8,640円より(1泊2食付)
          ※素泊まり可能 4500円より(布団有ります)。
      
お風呂は山小屋という便宜上お断りしておりますので
      あらかじめご了承願います。
      又、宿泊は9月中旬まで予約承ります。
 
※状況によっては羽黒山斎館での御宿泊をお勧めする場合もございます。
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